オーツミルクの栄養成分は?健康維持につながる摂り方やレシピも紹介
植物性ミルクとして注目を集めるオーツミルク。
乳製品アレルギーの方でも安心して飲める植物由来のオーツミルクは、栄養が豊富で健康志向の人にも人気です。「最近よくオーツミルクって聞くけど、どんな飲み物なんだろう?」と気になっている方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、オーツミルクの栄養について解説します。
どんな栄養素が含まれているかチェックして、日々の生活に取り入れてみてくださいね。
オーツミルクの主な栄養素と成分
オーツミルクには、次の栄養が含まれています。
- 食物繊維
- 不飽和脂肪酸
- 植物性タンパク質
以下で詳しく見ていきましょう。
食物繊維
オーツミルクには、水溶性食物繊維のβグルカンが含まれています。
βグルカンは以下の効果が期待される成分です。
- コレステロール値を下げる
- 血糖値の急激な上昇を抑える
- 免疫力の向上
- 整腸作用
- 満腹感を長持ちさせる
βグルカンはコレステロールの吸収を抑制し、排出する役割を果たします。これにより、血液中のコレステロール濃度を抑える効果が期待できます。コレステロール値が気になる方にとってはメリットになるでしょう。
オーツ麦に含まれる食物繊維は、消化を遅らせるため血糖値の急激な上昇を防ぎ、満腹感を持続させる効果も期待できます。腸の働きを促進して、お腹の調子を整えられるのもメリットです。
また、βグルカンは免疫力の向上にも役立つとされています。
オーツミルクは風邪予防や日々の活力を高めたい方にもおすすめです。
不飽和脂肪酸
オーツ麦には不飽和脂肪酸という栄養も含まれています。
不飽和脂肪酸は体内で作ることのできない必須脂肪酸で、主に魚や植物に含まれる栄養素です。悪玉コレステロールを減少させる働きがあり、生活習慣病の予防効果が期待されています。
また、オーツミルク自体にコレステロールが含まれていないため「コレステロール値が気になる」といった方にもおすすめです。
植物性タンパク質
オーツ麦には、植物性のタンパク質が含まれています。
植物性タンパク質食品は、動物性タンパク質食品よりも脂肪分が少なく、ヘルシーな特徴があります。特に余計な脂質を摂りたくないダイエット中の方におすすめです。
牛乳をはじめ乳製品が苦手な方や、アレルギーがある方のタンパク源としても最適と言えるでしょう。
オーツミルクで栄養を取るためは1日何杯飲むのがおすすめ?
オーツミルクに含まれている栄養素をしっかり摂るには、摂取量や飲み方を守ることが重要です。
摂取量が多すぎたり、単に飲むだけだったりすると、栄養はしっかり摂れません。
本章では、1日の摂取量と飲むタイミングについて解説します。
オーツミルクの1日摂取量の目安について
オーツミルクのカロリーの目安は、250mlで105kcalです。
そのため、オーツミルクを飲み始める際は、1〜2杯ほどを目安に始めるのがおすすめです。
カロリー自体はそこまで高くありませんが、1日に何杯もオーツミルクを飲むとカロリーオーバーになる可能性があります。「ダイエット目的でオーツミルクを飲みたい」と考えている方は、飲み過ぎに注意しましょう。
オーツミルクには食物繊維が豊富に含まれているため、飲み過ぎるとお腹を下す原因にもなりますので注意しましょう。
朝や日中に飲むとメリットが得られる
オーツミルクは腹持ちがよいメリットがあります。
そのため、午前10時までにオーツミルクを飲んでおくと、昼食時の食べ過ぎを防止する効果が期待できるのです。朝一番にオーツミルクを飲むと、昼食時の血糖値の急上昇を抑える「セカンドミール効果」も期待できると言われています。
血糖値の上昇が緩やかになると、インスリンの分泌が抑えられ、体内に無駄な脂肪が蓄積するリスクも低減できるでしょう。
寝る前の1杯でリラックス効果も
オーツミルクには「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの原料であるトリプトファンが含まれています。
ストレス過多の現代人は、セロトニンの分泌量が悪くなりがちです。セロトニンが不足すると、うつ病や不眠症の原因になることも分かっています。
就寝前にオーツミルクを1杯飲むことで、食物繊維や植物性タンパク質などと一緒にトリプトファンも摂取しましょう。
オーツミルクと他のミルクの比較
ミルクは、オーツミルクの他にも牛乳やアーモンドミルクなど、さまざまあります。
オーツミルクと他のミルクではどのような違いがあり、どちらがいいのでしょうか?
本章では以下の比較を行い、詳しく解説します。
- 牛乳との比較
- 豆乳との比較
- アーモンドミルクとの比較
牛乳との比較
オーツミルクと牛乳の栄養素の比較を表にまとめました。
出典:食品成分データベース
オーツミルクは牛乳と比較して、低カロリーで脂質が少ないのが特徴です。
現代人に不足しがちと言われる食物繊維を含んでいるのもポイント。
牛乳はオーツミルクよりもタンパク質が豊富です。しかし、脂質が高くコレステロールも含まれているため、健康志向の方にはオーツミルクをおすすめします。
また、植物性ミルクであるオーツミルクは、乳糖不耐症の方や乳製品アレルギーの心配もありません。
栄養バランスの取れたオーツミルクを牛乳の代わりに飲むことで、健康面でのメリットが得られるでしょう。
豆乳との比較
オーツミルクと豆乳の栄養素の比較表は以下の通りです。
出典:食品成分データベース
オーツミルクと豆乳は同じ植物性ミルクであり、乳糖不耐症の方や乳製品アレルギーの方も安心して飲めます。
豆乳は植物性タンパク質が豊富ですが、食物繊維が少ないのが特徴です。「便秘が気になる」や「デトックス効果を期待したい」といった方には、オーツミルクをおすすめします。
また、豆乳は大豆の香りが強く甘みが少ないです。そのため「調製豆乳」として、添加物を使用した製品が多数販売されています。
オーツミルクはクセが少なく、素材が持つ甘みとクリーミーさがあります。
大豆製品が苦手な方は、オーツミルクを試してみると良いでしょう。
アーモンドミルクとの比較
オーツミルクとアーモンドミルクの栄養素の比較表は以下の通りです。
アーモンドミルクのメリットは、オーツミルクよりも低カロリーなところです。
食物繊維も豊富なため、ダイエット効果を期待したい方には重宝するでしょう。
ただし、低カロリーなアーモンドミルクは、甘みが少なくクリーミーさも少ないです。そのため「健康のためにアーモンドミルクを試したけど、続けられなかった」という口コミも珍しくありません。
また、アーモンドミルクは低カロリーながら脂質が高い傾向にあります。これはアーモンドの特性が現れているためです。
脂質を抑えたい方や飲みやすい代替ミルクを検討している方は、オーツミルクが適していると言えるでしょう。
オーツミルクはデメリットがある?気になる疑問を解消
オーツミルクに対して気になる疑問を解消します。
- オーツミルクは体に悪い飲み物ですか?
- オーツミルクは便秘解消になりますか?
- オーツミルクを飲んでも副作用はないですか?
オーツミルクは体に悪い飲み物ですか?
オーツミルクは適量を飲む分には基本的には体にいい飲み物で、毎日飲んでも問題はありません。
ただし、1日に過剰に飲んでしまうとお腹がゆるくなる可能性がありますので注意しましょう。
健康効果を高めたい方は、自分に合った量をチェックしたうえで飲むようにしましょう。
オーツミルクは便秘解消になりますか?
オーツミルクは食物繊維が含まれているため、便秘解消効果が期待できます。
なぜなら、水溶性食物繊維のβグルカンが含まれているからです。
βグルカンは、体内で水を吸収しゲル状の物質に変わります。この物質が腸内を通過する際、不純物を排出してくれるのです。
便秘が気になる方は、オーツミルクを温めて飲むことで、改善効果が期待できるでしょう。
オーツミルクを飲んでも副作用はないですか?
オーツミルクは適量であれば、基本的には副作用の心配はありません。
ただし、短時間で何杯もオーツミルクを飲むと、以下の副作用の心配があります。
- お腹を下す
- グルテンのアレルギー反応
- カロリーオーバーによる体重の増加
食物繊維の摂りすぎによって、お腹がゆるくなる可能性があります。
また、極度の小麦アレルギーの方は、オーツミルクを大量に飲むとアレルギー反応が出る可能性があるでしょう。オーツ麦はもともとグルテンフリーですが、小麦製品と同じ工場で製造されることも多く、製造過程で小麦が混ざってしまうことがあるからです。心配な方は、グルテンフリーの認証を得ている製品を選ぶとよいでしょう。
また、低カロリーなオーツミルクですが、飲み過ぎると太る原因になります。
その他の食事のカロリーを確認しつつ、適度な量を飲むようにしましょう。
オーツミルクの栄養価をいただけるレシピ3選
栄養価とは、食品の栄養としての「価値」のことです。
本章では、オーツミルクの価値を更に高められる以下3つのレシピを紹介します。
- ヘルシーオートミール
- オーツミルク鍋
- ビーツスープ
ヘルシーオートミール
ヘルシーオートミールは、オートミールにオーツミルクを加えたアレンジレシピ。
食物繊維をたっぷり摂れる朝食に最適な料理です。
【材料】(1人分)
- オートミール:30g
- オーツミルク:200ml
- バナナ:好きな量
- メープルシロップ:小さじ1
- シナモン:少々
- 他の好きなフルーツ
【作り方】
- 小鍋にオートミールとオーツミルクを入れ、火にかける
- 沸騰したらしっかり混ぜて、弱火にして2分間煮る
- 火を止めて、鍋にふたをして1~2分間蒸らす
- バナナやいちごなど好きなフルーツをカットし、盛り付けたらメープルシロップをかけて完成
オーツミルク鍋
植物性ミルクの鍋といえば「豆乳鍋」が有名ですが、ここではオーツミルクを使った「オーツミルク鍋」を紹介します。
じゃがいも・にんじん・かぼちゃなど野菜も混ぜることで、よりヘルシーに仕上がる鍋のレシピとなっています。
入れる野菜の量にもよりますが、だし汁と水の中に具材とオーツミルクを入れて煮込むだけなので、そこまで時間はかかりません。
簡単に美味しいオーツミルク鍋が作れます。
【材料】(2人分)
- 水:140ml
- だし汁:大さじ3
- オーツミルク:100ml
- お好きな鍋具材
【作り方】
- 鍋にだし汁と水を加えて煮る
- 火の通りにくい具材から順に入れて、具材に火を通す
- 最後にオーツミルクを入れてひと煮立ちさせたら完成
ビーツスープ
ビーツは、血管を広げて血流をよくする「硝酸イオン(硝酸塩)」が含まれている野菜です。
オーツミルクをベースとしたスープにすることで、血圧の降下や冷え症・むくみの予防・改善に効果が期待できます。
【材料】(1人分)
- オーツミルク:100ml
- 塩・胡椒:適量
- ビーツ:50g(いちょう切り)
- 玉ねぎ:70g(薄切り)
- ニンニク:1/2欠片(みじん切り)
- レモン汁:小さじ1
- 水:50cc
- ヴィーガンコンソメ:4g
【作り方】
- 鍋にココナッツオイル(分量外)を熱し、ビーツ・玉ねぎ・ニンニクを入れて炒める
- 1の鍋にレモン汁・水・ヴィーガンコンソメを加えて10分ほど煮る
- ミキサーに2とオーツミルクを入れてかくはんする
- 塩・胡椒で味を調えて完成
まとめ
オーツミルクには、食物繊維や不飽和脂肪酸、植物性タンパク質などの栄養が含まれています。
低カロリーで脂質の少ないオーツミルクは栄養バランスの取れた代替ミルクです。腸内環境を整えたり、生活習慣病の予防効果が期待できるのもポイント。植物性ミルクのため、乳製品アレルギーの心配もありません。
また、朝一番にオーツミルクを飲めば、満腹感が持続してセカンドミール効果も期待できます。
現代人にとって嬉しい栄養素が含まれるオーツミルクを生活に取り入れて、健康的な生活をスタートさせてみてはいかがでしょうか。