甘酒は体にいいのか?期待できる健康効果や栄養成分・デメリットを解説
「甘酒は本当に体にいい飲み物なのだろうか?」
「具体的な栄養成分や選ぶ際のポイントがあるなら知りたい」
日本に古くから伝わる甘酒は「飲む点滴」と呼ばれる栄養豊富な飲み物です。
体づくりに欠かせない重要な栄養素が揃っているため、甘酒を飲むことで効率的に栄養補給ができるでしょう。ただし、甘酒にはデメリットや注意点もあるので、すべての人に効果があるわけではありません。
そこで本記事では、甘酒が体にいいと言われる理由について解説します。
甘酒に含まれる栄養成分についても紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
「飲む点滴」と呼ばれる甘酒とは?
甘酒は米から作られた飲み物です。
非常に長い歴史をもっており、起源は古墳時代の「日本書紀」に登場する「天甜酒(あまのたむざけ)」や「醴酒(こさけ)」とされています。甘みが強くクリーミーな質感が特徴です。
人間にとって必要な栄養が含まれていることから、健康や美容にも効能があると期待されています。夏の猛暑日は、甘酒に塩を少し加えて熱中症対策としても利用されている飲み物です。
そんな甘酒には、米麹が使われているものと酒粕が使われているものがあります。
ここでは2つの甘酒の特徴を見ていきましょう。
- 米麹甘酒
- 酒粕甘酒
米麹甘酒
米麹甘酒は、米と米麹から作られた甘酒です。
米麹は米に麹菌を混ぜて発酵させたもので、発酵過程で独特の甘さが生まれます。米麹甘酒はアルコールを含んでおらず、酒粕甘酒と比較して、カロリーや糖質が少ないのも特徴です。
米本来の甘さを楽しみたい方や、妊娠中の方、アルコールが苦手な方は米麹甘酒が向いているでしょう。
酒粕甘酒
酒粕甘酒は、酒粕を水に溶かし砂糖を加えることで完成する甘酒です。
日本酒を作る際の副産物として生まれる酒粕を使っているため、微量のアルコールが含まれていることがあります。砂糖で味付けされているので甘さが強く、米麹甘酒と比較してカロリーや糖質が高いものが多いです。
酒粕由来なので、日本酒の特徴的な香りがします。米麹甘酒よりもクセが強いので、好き嫌いがわかれますが、どちらも栄養豊富な飲み物として愛されています。
現在は米麹と酒粕をミックスしたものや、黒糖を加えたものなど、さまざまなバリエーションの甘酒が販売されています。
甘酒は体にいい?健康効果が期待できる3つのメリット
体にいいと言われることの多い甘酒には、以下のようなメリットがあります。
- 健康維持に役立つ栄養が豊富
- 消化を促進して腸内環境の改善に役立つ
- 美肌や老化防止も期待できる
メリット①健康維持に役立つ栄養が豊富
甘酒は、健康維持に欠かせないさまざまな栄養素を含んでいます。
アミノ酸、ビタミンB群、タンパク質、食物繊維などは、健康でいるために大切なものです。免疫力を高めたり消化をサポートしたりなどに役立つ栄養も入っています。
甘酒を日常的に飲むことで、不足しがちな栄養をバランスよく補給できるでしょう。
メリット②消化を促進して腸内環境の改善に役立つ
甘酒に含まれる酵素は、消化を促して腸内環境を改善する効果も期待できます。
例えば、米麹甘酒には消化酵素が含まれており、消化吸収をスムーズにすると言われているのです。加えて甘酒には善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖なども入っています。
善玉菌が活発になることで、腸内に悪い菌が広まるのを抑制し、腸内フローラのバランスを整える効果も期待できるでしょう。
メリット③美肌や老化防止も期待できる
甘酒には、美肌や老化防止などの効果もあるとされています。
ビタミンB群やアミノ酸は、肌の代謝を促して新しい細胞の生成をサポートする栄養素です。肌のハリや潤いを保つのに役立つと言われています。また、甘酒には抗酸化物質もふくまれており、老化の原因となる細胞の酸化を防ぐ効果もあるそうです。
日々のルーティンに甘酒を取り入れることで、体にいい効果が期待できるでしょう。
甘酒は健康に悪い面もある?2つのデメリット
甘酒のデメリットについても見ておきましょう。
- 糖質が多い
- カロリーが高い
デメリット①糖質が多い
甘酒のデメリットは糖質が多いことです。
250ml |
甘酒 |
牛乳 |
糖質 |
44.8g |
12.0g |
出典
・甘酒:食品成分データベース
・牛乳:食品成分データベース
甘酒には250mlあたり44.8gの糖質が含まれています。同量の牛乳の糖質が12.0gなことからも、甘酒の糖質の多さがわかるでしょう。
糖質制限中の方にとっては、体にいいからといって甘酒を飲むことがリスクになる可能性もあります。糖質を抑えた生活がしたい方は、甘酒ではなく植物性ミルクなどに代替するのがおすすめです。
デメリット②カロリーが高い
甘酒はカロリーが高いというデメリットもあります。
250ml |
甘酒 |
牛乳 |
カロリー |
190kcal |
153kcal |
甘酒のカロリーは250mlあたり190kcalで、153kcalの牛乳よりも高めです。
米由来の飲み物を生活に取り入れたいものの、カロリーが気になるという方は、ライスミルクをおすすめします。甘酒と同じく米から作られた飲み物ですが、250mlあたり118kcalと低カロリーなのが特徴です。
Earth MILKでは米と酵素のみのシンプルな原材料で作られたライスミルクを販売しています。
ライスミルクについて興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
甘酒に含まれる栄養成分
甘酒に含まれている代表的な栄養成分を紹介します。
- オリゴ糖
- ブドウ糖
- アミノ酸
- ビタミンB群
- コウジ酸
- 食物繊維
- タンパク質
オリゴ糖
甘酒には炭水化物の一種であるオリゴ糖が含まれています。
オリゴ糖は糖類の中でも消化されにくく、大腸まで届いて善玉菌のエサになるのです。善玉菌が活発になることで、腸内環境を良好な状態に保てるようになるでしょう。
また、オリゴ糖には腸内の有害細菌を抑制する働きがあり、免疫力のサポートにもよい影響があるそうです。甘酒に含まれるオリゴ糖は腸内環境を整え、健康を支える重要な役割を果たしています。
ブドウ糖
ブドウ糖は消化されやすい栄養素です。
人間の脳や体のエネルギー源になるブドウ糖は、疲労回復や集中力を高めるなどの効果が期待できます。仕事や勉強をする前に甘酒を一杯飲むのもよいでしょう。
忙しい朝や運動前のエネルギー源としても活用できます。
アミノ酸
甘酒には人体を構成するうえで欠かせないアミノ酸も含まれています。
中でも、人間の体では作ることができない必須アミノ酸を含んでいるのがポイントです。筋肉や骨、皮膚などの組織を修復したり、再生をサポートしたりなど重要な役割を果たしています。
アミノ酸は体だけでなく、ストレスの緩和にも効果が期待できる栄養素です。睡眠の質の改善や気分を安定させるなどの効果もあるとされています。
アミノ酸を効率的に摂りたい方は、甘酒を試してみるとよいでしょう。
ビタミンB群
甘酒にはビタミンB群が含まれています。
ビタミンB群は、エネルギーの代謝や神経系の健康維持などに不可欠な栄養素です。目の健康にもビタミンB群が寄与すると言われており、体づくりのサポートや美容効果などが期待できます。
ただし、ビタミンB群は熱に弱いとされているので、甘酒を温める際は80℃以上にならないように気をつけましょう。
コウジ酸
コウジ酸は、名前の通り米麹由来の栄養成分です。
麹を作る際に生まれる天然の代謝物質で、シミの原因となるメラニンを作る酵素の働きを抑制する効果があるとされています。肌を明るくする効果もあるそうなので、女性にとっては嬉しい栄養素と言えるでしょう。
加えて、コウジ酸には抗酸化作用があることもわかっています。日焼けによるダメージを軽減したり、肌の老化を遅らせたりなどの効果も期待できる栄養素です。
食物繊維
甘酒には現代人に不足しがちな食物繊維も含まれています。
食物繊維はオリゴ糖と同じく、善玉菌のエサになる栄養素です。腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を抑えるなどの効果が期待できます。
食生活を改善したい方は、甘酒を取り入れて栄養バランスを整えてみるのもよいでしょう。
タンパク質
甘酒に含まれるタンパク質は、健康的な体を維持するのに欠かせない栄養素です。
タンパク質は筋肉はもちろん、骨、皮膚、髪の毛など、さまざまな健康をサポートする役割を持っています。体内での酵素やホルモンの合成をする働きも担っているのがタンパク質です。
免疫システムの強化や修復などをサポートする効果もあり、日々の健康管理においてとても大切な栄養素と言えるでしょう。
甘酒を選ぶ3つのポイント
ここでは、甘酒を選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
- 添加物が多く含まれていないか
- 米麹と酒粕のどちらが使われているか
- ストレートタイプか濃縮タイプか
添加物が多く含まれていないか
ヘルシーな甘酒を飲みたい方は、なるべく添加物が含まれていないものを選びましょう。
市販の甘酒の中には、保存料や安定剤、香料などが添加されているものもあります。甘さを強調するために、砂糖や水あめが使われている甘酒もありますが、その分カロリーが高くなってしまうのです。
ダイエット目的の方や自然派の方は、シンプルな原材料の甘酒をおすすめします、
米麹と酒粕のどちらが使われているか
冒頭でお伝えした通り、甘酒には米麹と酒粕から作られたものがあります。
米麹は酒粕と比較して低カロリーなものが多いです。ただし、味が好みでなければ、毎日飲み続けるのは難しいでしょう。甘酒は続けてこそ効果が実感できるものなので、原材料だけでなく飲みやすい味かどうかも考慮してみてください。
ストレートタイプか濃縮タイプか
甘酒にはそのまま飲めるストレートタイプと、水やお湯に溶かして作る濃縮タイプがあります。
ストレートは開封してすぐに飲めるのがメリットですが、時間がたつと味が変わりやすいのがデメリットです。濃縮タイプは作る手間がかかるものの、いつでもできたてが飲めるメリットがあります。
粉末タイプなどもあるので、まずは気になる甘酒を試してみるとよいでしょう。
甘酒に関するよくある質問
甘酒に関するよくある質問をまとめました。
- 甘酒は生理にも効果的ですか?
- 甘酒を続けたらどのような変化がありますか?
- 甘酒の摂取量はどれくらいがおすすめですか?
- 甘酒はいつ飲むのがおすすめですか?
甘酒は生理にも効果的ですか?
甘酒に含まれているアミノ酸やビタミンB群は、血液を作ったり血行をよくしてくれる働きがあります。そのため、甘酒は栄養が不足しがちな生理のときのエネルギー源になるでしょう。
ただし、砂糖は腸内環境のバランスを崩したり、体を冷やしたりすることもあるので、砂糖不使用の甘酒を選ぶことをおすすめします。
甘酒を続けたらどのような変化がありますか?
甘酒にはさまざまなメリットがあるとされていますが、人によって感じる効果は異なります。
健康的な生活を送るには、甘酒だけでなく栄養バランスの取れた食事や適度な運動などを行なうことが大切です。
甘酒の摂取量はどれくらいがおすすめですか?
甘酒の効果を実感するには1日150〜200mlほどが推奨されています。
しかし、個人の体調や体質によって最適な量は異なるものです。
また、甘酒を飲みすぎると、カロリーオーバーになる可能性もあります。
まずは少量から試しつつ、自分にとっての適量を見つけるようにしましょう。
甘酒はいつ飲むのがおすすめですか?
甘酒は飲むタイミングによって、期待できる効果が変わります。
- 朝:エネルギー補給
- 昼:疲労回復/集中力アップ
- 夜:リラックス/リカバリー
甘酒は素早く栄養補給ができるので、朝食としても最適です。日中は疲れた体や脳のエネルギー源になるでしょう。夜は1日の疲れを癒すのに役立ちます。
その時々の状況に応じて、甘酒を活用してみるとよいでしょう。
まとめ
甘酒は飲む点滴と呼ばれるほど、栄養価の高い飲み物です。
カロリーや糖質が多いデメリットがあるものの、体づくりには欠かすことのできないアミノ酸やビタミンB群、タンパク質などが含まれています。整腸作用や抗酸化作用なども期待できる甘酒は、女性にとって大きな魅力となるでしょう。
甘酒を選ぶ際は、添加物や原材料、ストレートタイプか濃縮タイプかなどを考慮して、好みの味のものをチョイスするのがおすすめです。
栄養満点の甘酒を生活に取り入れて、ハリのある生活をスタートさせてみてはいかがでしょうか。